【2008/05/15 Thu 21:35】 入り口に設置してあるパンフレットを手にして入ると、真っ直ぐに伸びた廊下の右横に木製の階段があります。 私は遥か昔のこと、いなかの木造中学校校舎を思い出しました。 一段一段踏みしめるたび音のするその階段は、ところどころ節穴も隙間もある年代もので、 「誰かが覗いている」と、私たち女子生徒は想像を膨らませ足早に行き来したものです。 この記念館、メインの展示は一階にあります。 私はその階段横にある「レトロ体験室」から見学することにしました。 高い天上とその天井に届くほどの窓は上下移動で開閉する西洋風のものであり、設計者の四高に対する、四校生に対する熱い想いを感じます。 その窓からの光を十分受ける位置に小さな机が設置されています。 机上には、祖父の机にあったようなブリキ製カサをもつ電気スタンドがありました。 この電気スタンド、長時間の点灯には気をつけなくてはなりません。 カサが電球の熱で猛烈に熱くなるのです。 祖父から注意を受けた事をふと思い出しました。 その横には、音響機器会社のコマーシャル犬ビクター君が耳を澄ましたような蓄音機が、幼い時の記念撮影には必ず現れた黒マントを纏った写真屋さんを想像するジャバラのカメラもあり、私に懐かしい頃を思い出させました。

私は四高と四校生、そして市民との関わりの歴史が紹介されているコーナーへと足を進めていきました。 ここでは、向学心に溢れた当時の学生たちの自由闊達な学生生活や、その学生と市民との心温かい逸話が紹介されています。 “ペン”で書かれた文字や数字がぎっしり並んでいるノート、幾度となく開いただろう所々に書き込みがある辞書、市民から寄贈された分厚く新聞紙大ほどある“ブリタニカ”の百科事典、そして、現代のコピーライターを思わせるようなユニークな言葉や、馴染みのお店の親父さんの似顔絵などが綴られている毛筆書きの自由帳。 学生たちの使った文具類や何代も受け継がれたことを思わせる制服制帽、運動部の応援旗や太鼓、対抗試合申込の「果し状」などなど、、、 それらの展示品の中になんと、「料亭で使用した湯のみ・灰皿」まであります。

当時の「学生さん」は料亭にフリーパスだったのか? 料亭の女将が「学生さん」に好意的だったのか? 学生生活を謳歌したであろう当時の学生の暮らしを支えた市民のあったかい心が伝わって来るようでした。
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