ギャラリー茶房 『エスカルゴ』
Gallery−Escargot!  ご案内と留守番役は、ごくふつうのおばさま「くるみ」さん。 お客様同士の会話をお楽しみ頂けますよう、喫茶コーナーも開いています。
障子はり(年末行事) 
【2007/12/23 Sun 21:09】
今年もあと少しになりました。
祖父の元気だった頃、新年を迎える準備は大晦日まで日程は決まっていました。 蔵の掃除などの大掃除の順番、仏壇や神棚の飾り付け、お正月用漆器の準備、ふすまや障子の張替えなどなど、、、その中でも仏具磨きと障子の張替えは、幼い私の好きな“お手伝い”でした。
なぜか、小中学校の冬休みに合わせたように障子の張替え作業が始まります。
外気や湿気を遮断する優れものの障子戸、ムカシの家には欠かせないものでした。 祖父の家には何十枚もあり、この障子戸の張替え作業は一日中かかりました。 夏場に張替えた障子紙は、半年間の湿気などで黄色く変色しています。 なぜか紙の薄くなっているところもありました。

この障子張替えの時の私の楽しみは、気兼ねなく思い切り障子紙を破ること。
“湿らせた人差し指で穴を開けそおっと中を覗く“あのスタイルをしてみたいのです。
私は祖父の顔を覗き込みます。
「穴を開けてもいい」
「いいよ、最期まできれいにするのだよ」
祖父は私に、一人で貼りかえる事を約束させ、障子戸一枚渡します。 許可を得た私は“何処から開けようか?”最初の一筆を吟味するように、障子一面を眺めます。 真ん中からいこう、ぶしゅっ!ひとつ開けると調子が出るものです。 後はめくらめっぽう穴を開け続けました。 だんだん調子が出てくるものです。 仕舞いには握りこぶしを使ってまでして遊びました。 しかし、無残な姿になったこの障子は自分で張替えなくてはなりません。 障子の桟にぶら下がった障子紙は相当厄介なものです。 むやみに破られた障子紙、濡らしてもなかなか剥ぎ取れませんでした。
悪戦苦闘する私の横で祖父はスズシイ顔をして、水の滲みこんだ障子紙をそぉっと剥がしていきます。 障子桟には紙片ひとつ残っていませんでした。 その姿を見て私は“むやみに破ると後が大変だ“と感じたものです。
その間祖母はというと、糊つくりをしていました。
ご飯で作るでんぷん糊。 ご飯をよく煮立てておかゆ状態にし、木綿手ぬぐいで濾します。 一度濾したものは、滑らかな糊になり塗りやすく、障子紙をきれい貼ることができるのです。
祖父はこのでんぷん糊を刷毛に取り、丁寧にタテヨコ桟に塗り、そして、30センチ幅の巻紙状になっている障子紙を転がしながら貼り付けていきます。 重なり部分に埃が溜まらないように、と下から順番に張っていきました。

懐かしい障子張り。
『むやみに破ると後が大変』 解っていても面白い障子紙破り。
小さな子供には本当に楽しいものでした。

人気ブログランキング参加中! 人気blogランキングへ

ムカシこたつの役目 
【2007/12/20 Thu 14:21】
“ムカシこたつ”の思い出です。
この練炭コタツには、暖を取るだけではなく大事な役目がありました。
冬の味覚、かぶら寿しや大根寿し作りに欠かせない米麹を培養したり、自家製納豆の発酵を促す保温機でもありました。
大根寿し作りの麹は、毎年酒屋さんから届く麹種をもとにご飯で培養します。大きなおひつを毛布で包んだものが、保温の為コタツの隅に鎮座しているのです。 出来上がるまで母は様子を見ながら、その位置を変えながら温度調節をしていました。 
また、
祖父の“わら納豆”つくりです。
コタツを出す頃になると祖父は決まって納豆作りを始めるのです。 材料は、茹でた大豆と秋に刈り取りしたわらだけの自然発酵の納豆です。 筒状に包んだものを布で包み、コタツの中で納豆菌発酵させるのです。 これは暖かくなりコタツが不要になるまで毎日続きました。 このわら納豆、製造過程に従い香りがだんだん強くなっていきます。 完成近くなると”香り”と表現するより、”匂い”と現した方がいいくらいです。 コタツ内は強烈な匂いです。 コタツに入るとき、コタツから出るとき、コタツ布団が動くたびに強烈な匂いが広がるのです。 この“わら納豆”の匂いには往生しました。 
家族の為と言うより、祖父の趣味だったのかもしれないこの納豆つくり、懐かしい思い出です。

ところで、練炭コタツ全盛期のこの時期、ペットたちはどうしていたのでしょう? 
“ネコはコタツで丸くなる〜♪〜”の唱歌どおり、私の飼っていた三毛ネコも、日中はコタツの周りから離れませんでした。 しかもコタツの中に潜り込むことが好きなのです。  練炭コタツ内の長居は禁物です。 二酸化炭素中毒になりかねません。 しかし、練炭コタツの中で「中毒患者になりそう」「このままでは危険だ、中毒死する」と、動物のカンが働くにでしょうか?危なくなったら自主的に出てくるのです。 限度を察知して出てきたその姿は、酔っ払いそのものです。 しっかり二酸化炭素を吸い込んだその目はうつろで、焦点は合わず、頭も朦朧としているのでしょう、足元フラフラ、千鳥足の状態です。
そんな姿を見た祖父は「まただ!直ぐ外に出して」と言い、私にネコを渡します。 私は戸外へネコを連れ出します。 暫く冷気に晒されて正気になったネコは、野性味あふれる“ムカシネコ”の姿になり私のもとへ戻ってきます。 しかし、幾度となく苦しみを味わったにもかかわらず、何度もコタツの中に姿を隠すネコでした。

麹の入ったおひつと、わら納豆の包みを傍らにしコタツに入る、そのコタツの中から、二酸化炭素中毒気味のふらふら猫を救い出す、ムカシの冬の日常でした。
もう納豆つくりは姿を消しましたが、“大根寿し”は今でも家庭料理として作られ、各家庭の冬の食卓を飾ります。家庭により微細に違うこの大根寿し、味比べも楽しみのひとつになっているようです。

人気ブログランキング参加中! 人気blogランキングへ

切出し(ナイフ)の扱い方 
【2007/11/10 Sat 17:09】
手編みのマフラーの編み方を聞きに来た彼女は、二十代の専門学校生。
私はちょうど色鉛筆を削っている最中だった。
私は二人分のコーヒーをセットして、
「編み段をカウントする時に使うの」と、また鉛筆を削りはじめた。
彼女は特殊な技でも見るように、黙って私の手元を見ています。

「あなた、出来る?」
削りかけの青鉛筆とナイフを私は彼女の前に差し出したてみた。
鋭い刃を持つナイフに驚き、一瞬たじろいだ彼女は困った様子を見せる。
「出来ない、鉛筆削ったことないです」
「・・・?」
「あっそうか、今はシャープペンシルが主流だから鉛筆使わないんだ」
友人といっても、親子ほど歳の差のある彼女への質問。
返ってくる答えが想像できる、こんな質問をした自分がはずかしい。
「でも色鉛筆は使うことあるでしょ。色鉛筆の場合はどうするの?」
彼女は苦笑しながら説明をしはじめた。
回転式のシャープナーを使ったり、色鉛筆は芯だけを差し替えるタイプを使うから鉛筆を削る必要はない、カッターで削ったことないから怖い、と言う。
そうだ、この子達は小刀で鉛筆を削る必要がないのだ。
妙に納得した私でした。
でも、
「私は小学低学年から削っていたなぁ」と、あの頃を思い出した。

当事の私は、祖父のお手本で書き方の練習をするのが日課だった。
祖父手製のお手本で、鉛筆習字をするのです。
鉛筆習字には、芯の軟らかさと滑らかさに祖父なりのこだわりが在ったのでしょう、
“2B”の鉛筆が祖父の好みでした。
祖父は、使う分を削って毎日私の帰りを待っています。
6角形の鉛筆の削り面は、丸く滑らかでとても指当たりの良いもので、
今思えば芸術的な削り方だったのかもしれません。
ある時
「私も削ってみたい」
私の言葉に、祖父はなんの躊躇もせず、愛用の“切出し小刀”を渡してくれました。
その“切出し小刀”は長さ20センチ、刃渡り5センチ。
長年使い込まれた刃はピカピカ光っており、何でもスパッと切れそうに見えました。
使い方を一通り教えた祖父は、様子をじっと眺めているだけです。
小さな私が小刀を扱うしぐさは、祖父には危なっかしく見え不安だったに違いありません。
それでも私が止めるまで黙って傍に座っていてくれました。
祖父は言います。
「少しぐらいの怪我はいい」
「痛い思いしないと、危険な道具だと解らないだろ」
「どんな道具でも慎重に使えば、怪我しないものだよ」
その後の祖父は私にどんな刃物でも持たせてくれました。
和包丁から、出刃包丁、鎌、鉈、等々・・・
小さな怪我をたくさん経験したけれど、どんな物にもチャレンジさせてくれました。

その後の私は「きれいに削りたい」と、鉛筆削りに夢中になってしまいます。
しまいには割り箸や塗り箸、菜箸まで削り始め、
小刀を包丁に持ち替え切れ味を試てみたりして、
祖母や母に叱られたことを思い出します。

        人気ブログランキング参加中です!
         人気blogランキングへ

懐かしきメロディー。(宝箱2段目) 
【2007/10/20 Sat 16:48】
私の誕生日は、家業が忙しい時期にあたる。
そのせいか誕生日のお祝い会?をしたという記憶がない。

しかし、小学低学年のある年、誕生日に届いた“プレゼント”だけは、今でもわすれません。
それは、大好きな母方の祖母から届いたもでした。
誕生日のプレゼントに喜んだ私は、リボンも包み紙も大事にとって置いた記憶があります。
包みの中には児童書(月刊誌だった記憶があります)が入っていたのです。

この頃の月刊誌には、じつにたくさんの付録が付いていました。
幼い私は祖父に手伝ってもらい、この付録の紙工作を作って楽しんだものです。
紙工作の“部品“それぞれは、切り離しやすいようにミシン目が入っています。
「仕上がりがきれいになるから」という祖父の言葉から、どうもこの頃から私は、“はさみ”を使いはじめたようです。祖父は、早くから私に刃物の使い方を教え、「怪我を恐れることはない」と、私に話していました。

この時の付録の中に、赤いプラスティックの『ソノシート』があり、ヒラヒラ薄くて頼りないその『ソノシート』は、大切に紙の袋に入っていました。
祖父は、
「ここから音が出るんだ、レコードと同じだよ」
「・・・?」
「乱暴に扱っちゃダメ。折り目が付いたら音が出なくなるからね」

この薄っぺらいプラスティックから音が出るとは、当時の私には信じられなかったのです。
祖父がセットしてくれたソノシートから流れる歌声を、隣のお姉さんと聴いた記憶がよみがえります。

肌寒くなった秋の夜長、幼い頃に聞き覚えた歌詞を思い出し、口ずさんでいます。

「キューピーさん」
葛原しげる作詞弘田龍太郎作曲 (参照:フリー百科事典)
1.キューピーさん キューピーさん
 なにに そんなに おどろいて
 おおきな おめを
 みんな パッと あけて
 しろくろさせて たってるの

2.キューピーさん キューピーさん
 なにに そんなに おどろいて
 ごほんの ゆびを
 みんな パッと あけて
 はだかの まんまで たってるの                               

「ゆりかごのうた」
北原 白秋作詞草川 信作曲 (参照:フリー百科事典)
1.ゆりかごのうたを
  カナリヤがうたうよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

2.ゆりかごのうえを
  びわの実がゆれるよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

3.ゆりかごのつなを
  きねずみがゆするよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

4.ゆりかごのゆめに
  きいろいつきがかかるよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

人気ブログランキング参加中!
人気blogランキングへ




カレンダー

09 ≪│2008/10│≫ 11
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

くちこみリンク

ブログランキング

FC2ブログランキング

日記・ブログ人気急上昇ランキング

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

By FC2ブログ

アフィリエイト・SEO対策 Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ

おすすめ!

フリーエリア

お気に入り